妊娠中の痔の3つの対処方法とセルフケアについて
妊娠中は体の様々なトラブルに悩まされやすい時期です。
その中の悩みの1つとして『痔』に悩む人が全体の半数もいると言われていることをご存知でしょうか?
実は、密かに悩んでいるママもとても多く、そういった方のためにも、
このページでは妊娠中の痔について、原因や対処方法などの気になる内容をわかりやすく解説していきます。
目次
- 痔の種類と原因
- 妊娠中の痔は胎児に影響はあるの?
- 妊娠中の痔の手術は本当はやってもOK
- 妊娠中の痔と市販薬について
- 妊娠中の痔の3つの対処方法
- 妊娠中でも安心してできる”薬に頼らない”セルフケア
痔の種類と原因
痔には大きく分けると3種類あり、よく聞くいぼ痔、切れ痔の他にも、あな痔と言う1番痛みを伴う痔があるのですが、妊娠中に多く見られるのがいぼ痔と切れ痔です。
その中でもいぼ痔が妊娠中には1番多いと言われています。
なのでここでは妊娠中の方に多い、いぼ痔と切れ痔の原因について解説していきます。
いぼ痔
そもそもこれは、肛門にイボ状の腫れができてしまうことを指すのですが、
妊娠中は主にお尻の外側に硬いしこりができ、痛みを伴う場合があります。
原因は、妊娠により子宮が大きくなり、血液の循環が悪くなることがきっかけだと言われています。
切れ痔
これは肛門周辺の粘膜が傷ついてしまったり、肛門が切れてしまう場合を指します。
原因は、便秘によって太くて硬い便の排泄や下痢等によって、肛門の出口付近が切れてしまうことが多いと言われています。
妊娠中の痔は胎児に影響はあるの?
痔に限らないことですが、実際に妊娠中に何か少しでも体の不調があると
1番心配になってくるのがおなかの赤ちゃんへの影響ですよね?
そこで妊娠中に痔が発生することによる胎児への悪影響について調べてみました。
結論としては痔自体が直接胎児に与える影響は、一切無いようです。
ただし、痔の原因にもなる便秘自体が、身体にとってあまり良くないことです。
妊娠中の便秘が赤ちゃんに悪い影響となっていることは、少なからず考えられます。
でも妊娠中は、そもそも便秘になりやすい時期ですし、あまり悩み過ぎないようにしましょう。
深刻に捉え過ぎるとストレスで便秘が悪化したり、余計にトイレで“いきみ”過ぎて『いぼ痔』になってしまう場合もあります。
妊娠中の便秘の一番大きなものはホルモンバランスの変化で腸内の水分を集めてしまう事と言われています。
そのため、水分不足で便が硬くなってしまい、排泄の時に切れ痔の原因となりやすいんですよ。
妊娠中の痔の手術は本当はやってもOK
痔は場合によっては、手術が必要な場合も出てきます。
インターネットの質問サイトに実際にあった質問を例として挙げてみると、
いぼ痔に悩んでいて、肛門科を受診したところ・・・
ドクターに、『手術をしないと改善できない』と言われたようです。
それと同時に、
本当は手術をしても別に問題は無いんだけれども、今の妊婦さんは慎重になりすぎて手術をしたがらないんだよね。
と言っていたようです。
その方は念のため、産婦人科の先生にも相談しに行ったようです。
するとそこでは、ほとんどの妊婦さんは、出産まで軟膏などでやり過ごしている場合が多いですが、もしも希望するのであれば、妊娠中であっても痔の手術をしても特に問題はありません。
と言われたようです。
つまり、肛門科のドクターも、産婦人科のドクターも、痔の手術をすること自体は問題は無いとの結論でした。
そのため、あまりにも酷い場合は、自分の体調と相談しながら手術を検討すると言うのも選択肢のひとつかもしれませんね。
妊娠中の痔と市販薬について
次は痔と市販薬についてです。痔には様々な市販薬があります。
結論から言うと妊娠中に使って良い薬と、使わないほうが良い薬があるようです。
妊娠中でも使っていいと言うものに関しては、例えばステロイドが入っていない
塗るタイプの軟膏が挙げられます。
ある方が薬剤師さんに聞いたところ、一応そういったものならば妊娠中の方でも
使えると言えば使えるのですが、念のため担当の医師に相談してから使ったほうがよい。
と言われたそうです。
形としては妊娠中でも使っていいはずなのに、念のためとは言え
わざわざお医者さんに確認を取った方が良いと言うのも、なかなか不思議な話ですよね。
この点については、形としては妊娠中でも使って良くても、安全性が100%保証できると言う内容では無いからというのが理由だそうです。
つまり、そもそも市販で売られている痔の薬を自分の判断で使うこと自体は危険なのでやめといた方が良いです。
確実なところとしては、妊娠中でも使えるとなっている痔の薬でも
最終的には産院の先生に相談するなら
最初から肛門科や、担当の産院の先生に相談するのが1番良い
という事になりますね。
妊娠中の痔の3つの対処方法
ここまで、痔の原因や影響、実際になってしまった際の対処の仕方について話してきましたが、これから、妊娠中の痔を予防するためにできる、3つの対策について解説していきます。
便秘を予防する
そもそも妊娠中は、女性ホルモンの影響により便秘になりやすいのですが、
- 決まった時間にトイレに行く習慣をつける
- 水分を多く摂取することを意識する
- 食物繊維が豊富に含まれた食べ物をたくさん食べる
- ウォーキングなどの適度な運動を心がける
などの4つのポイントを習慣化することで便秘の改善と予防につながるので、ぜひ取り入れてみてください。
下半身を温めて血行を促進する
妊娠中でもバリバリ仕事をしている妊婦さんも珍しくありません。仮にその仕事が長時間椅子に座ったままの状態のことが多い仕事だと、肛門に圧力がかかりやすく、血流が悪くなってしまいます。
下半身の血の巡りが悪くなることで、直接的に痔と結びつく事は無いのですが、便の出が悪くなったり、間接的な影響があるため、ストレッチやウォーキングなどの、血行促進効果が高い習慣を取り入れていくことも大切です。
痔になった際は必ず医師に伝えること
もしも妊娠中に痔になったことが発覚した場合は、出産前に事前にお医者さんや助産師の方に伝えておくことが必要です。
そうすることで、お産の際にタイミングで肛門を抑えて脱肛しないように対処してくれます。
妊娠中でも安心!”薬に頼らない”セルフケア
もしも痔になって、病院から薬をもらっても、やはり極力使わないに越した事はありません。
また、薬を使わないと言うことに強いこだわりを持つ方もいらっしゃると思うので、そういった方のためにも、妊娠中でも安心して行うことができる、薬に頼らないセルフケアを最後に紹介していきたいと思います。
用意するものは
- カレンデュラオイル
- コットン
たったこの2つです。
やり方
- コットンにカレンデュラオイルを浸す。
- 排便後、入浴後などに、清潔にしたい患部へ圧迫して塗る。
- そのコットンを、そのまま当てておくとより効果的。
ただし、オイルが下着についてしまう場合もありますので、ナプキン等でカバーするようにしましょう。
これは1日に1回から2回程度が目安です。
セルフケアを行う際の注意点
セルフケアを行う際の注意点は以下の2つです↓
- カレンデュラオイルは、必ず100%天然のものを使いましょう。
- 必ずパッチテストを行うこと。
なお、パッチテストは、使用するオイルを腕の内側になって、丸1日(24時間)放置して様子を見ます。
もしもその際に肌にに赤みやかゆみなどの症状が現れたら、すぐにテストを中止して水洗いしましょう。
まとめ
このページでは、妊娠中の痔について様々な内容を解説してきましたが、少々長くなってしまいましたので、このページでまとめた内容の要点を復習します。
- まず痔になってしまったら、市販で売っている薬などで対処せずに、真っ先に肛門科か、産婦人科に相談しに行くこと。
- 痔の原因は、血液の循環が悪くなることと、便秘が主な要因となるため、血行促進と、便秘改善をまずは意識しましょう。
以上が妊娠中の痔の原因と対策と予防方法になります。