妊娠中の冷えと下痢|あなたのお腹は大丈夫ですか?
妊娠中に急に下痢になったりすると不安になってしまいますよね。
- お腹の赤ちゃんにはどうなの?
- 何かの病気になっちゃった?
- トキソプラズマや食中毒は大丈夫?
このように心配になってしまう妊婦さんが多いのですが、妊娠初期や妊娠中期、妊娠後期の便秘と下痢の複合症状など、
それぞれに正しくちゃんとした対象を知ってさえいれば全く怖くないものなんですよ。
このページでは、そんな『妊娠中の下痢』に落ち着いて対処できるように詳しく見ていきたいと思います。
まずは、妊娠初期に起こるホルモンバランスの変化が原因による下痢から見ていきましょう。
妊娠初期に起こるホルモンバランスによる下痢
妊娠初期のおよそ10週目~16週目までの間にホルモンバランスは大きな変化を起こします。
妊娠前までは卵巣で作られて、分泌されていた黄体ホルモンが、胎盤からの分泌へと切り替わるからです。
この妊娠初期の頃に起こるホルモンバランスの変化は、妊娠中期な妊娠中の後半の赤ちゃんの成長を支えるための下準備として起こる変化です。
この時期に急な下痢の原因となる仕組みがあります。
- ホルモンバランスが変化することによって自律神経が影響を受けて体温が低下する。
- 腸内環境が変わって下痢を起こしやすくなる。
というものです。
なのでこの時期に、突然下痢になったとしても特に心配はありませんので安心してくださいね。
ただし、妊娠初期、中期、後期を通して時期に関係なく、安心してはいけない下痢というものもあります。
それは、前日にお肉料理を食べたり、冷野菜の生野菜でお腹を冷やしてしまった場合です。
お肉料理で1番心配なのはトキソプラズマや食中毒なのですが、この点については
トキソプラズマも食中毒も『しっかりと加熱したお肉』ならば全く問題は起こりません。
ですのでもし焼肉やハンバーグなどを食べに行くような場合でも
必ず『しっかりと火を通した物』を召し上がるようにしてくださいね。
また、外食をした先でレアに近いお肉が出てくるような高級レストランに行くような場合でも、
自分が妊娠中であることをしっかりと伝えて『万が一の食中毒すら絶対に起こさない!』という
つもりで食べるように気をつけるのが理想的です。
ですが、食中毒になったとしても妊娠初期の流産とは全く無関係ですのでご安心ください。
好きなお肉も食中毒にだけ注意して、安全に気を付ければ安心して食べて大丈夫ですよ♪
ただし、食中毒の腹痛というのは不安なものでもありますし、
お腹の赤ちゃんの為にも決して良いものではありませんので注意するに越した事はありません。
また、妊娠後期でお腹が大きくなっている妊婦さんの場合は、
下痢の時のお腹の痛みが子宮収縮につながってしまう場合があります。
やはり、トキソプラズマや万が一の食中毒も起こさないようにするのが、理想的な対策と言えますね。
自分で調理する場合のトキソプラズマの処理
お肉を食べるのは外食とは限りませんよね。自宅で生肉を調理する場合の加熱処理の時間や温度をご紹介します。
トキソプラズマは、ご存じの通り『寄生虫』(顕微鏡なしでは見えない小ささ)です。
雑菌やウィルスと同じように加熱することで無害な状態に処理することができます。
その温度と時間は
- 70℃のお湯でボイル(ゆで)の場合で30分
- 80℃のお湯でボイルする場合は5分
- 100℃以上での処理の場合は5秒以下
というように加熱処理の温度と時間によって安心できる処理となりますので
自宅で処理する場合でも、調理前にしっかり手を洗って、きっちり加熱して安心して食べれるようにしましょう!
妊娠安定期に起こる下痢の原因と対処
妊娠中期に起こる下痢というのは、主に黄体ホルモンの働きによる水分不足から起こる便秘の反作用としての下痢が多いようです。
妊娠中に便秘になってしまう原因としては、やはり1番多いものが、妊娠中期の4ヶ月目から妊娠後期まで分泌され続ける『黄体ホルモン=プロゲステロン』の作用による水分不足が原因になります。
この対策としては『水分補給』が間違いのない方法なのですが、お腹を冷やしてしまわないようにどんな時でも必ずお湯や白湯を飲んで、水分補給を行うようにしてくださいね。
また、水分補給をする場合は、冷たい水でお腹を冷やさないようにすることも大切なのですが、麦茶やルイボスティーなどのんカフェインのお腹の赤ちゃんに優しい飲み物を中心として水分補給をするように心がけたいものですね。
妊娠後期に起こる下痢の原因と対処
妊娠後期に起こる下痢の原因はやはり妊娠中期と同じように水分不足が原因で起こりやすいということが言えます。妊娠後期に起こる下痢の原因と対処
妊娠後期に起こる下痢の原因はやはり妊娠中期と同じように水分不足が原因で起こりやすいということが言えます。
また、妊娠後期に水分不足になりやすい原因としてお腹の赤ちゃんの成長速度が速くなり、そのためママの体の中の血液から補給できるミネラルがたくさん必要になるため、ママの血液が増える速度が上がるということも原因の1つと言われています。
どちらにしても水分不足が原因で便秘を起こしその反作用として下痢が起こってしまうことが多いようですので、基本的には普段からこまめな水分補給をするように心がけましょう。
また朝いっぱいだけお水を飲む。というのがお腹の腸を刺激して蠕動運動を活発化させるという意味でも便秘対策にはとても効果的です。
ですがそれ以降の水分補給については『出来る限り常温や白湯、もしくはノンカフェインのお茶などで体を冷やさないように』注意して水分補給をしましょう。
特に妊娠後期は、骨盤も少しずつ開いていって至急も大きくなって下腹部に下がってきています。
その分だけ内臓も圧迫して便秘や下痢が起こりやすいのですが、その状態で急激な腹痛を伴う便秘や下痢を起こした場合、先程の繰り返しになってしまいますが急激な子宮収縮による
早産や胎盤剥離を起こしてしまうケースがありえますので十分に気をつけるようにしたいところです。先程の繰り返しになってしまいますが急激な子宮収縮による早産や胎盤剥離を起こしてしまうケースがあり得ますので十分に気をつけるようにしたいところです。
そんなにたくさん水分を補給してむくんだりしないの?
このように疑問に思うママもいらっしゃると思います。ですが、この心配については基本的にホルモンバランスが原因で体の中に溜め込む水分にはちゃんと理由があり、羊水の量を一定に保ったりママの血液を増やしていったりするために必要な分だけが蓄えられる仕組みになっているため、むくみをあまり気にしすぎないことも大切です。
ただし、妊娠中の食生活で塩分を摂りすぎてしまうとプロゲステロンの働きに
『水分のたくわえに必要以上の“むくみ”』が起こってしまうケースがあります。
妊娠中の塩分の取りすぎは妊娠中の高血圧症候群やむくみが原因とされている尿タンパクの検出など
妊娠中の妊婦検診で異常が出てしまう数値の原因となります。
高血圧症候群は、妊婦さんの脳出血や肺水腫等の命に関わる病気の原因となってしまいます。
ですので、くれぐれも塩分の取りすぎにだけは絶対注意を怠らないようにしてください。
妊娠中に1日でとって良い塩分は『約8グラム』とされています。
ですが、日本人の平均的な成人女性が成人男子のいちにちの塩分摂取量は大体11グラムから12グラムと言われています。
糖尿病患者や高カリウム血症の患者が1日でとることが許される塩分6グラムと言われていますから、妊娠中の塩分というのはかなり『控えめを意識してもまだ足りない』可能性がある位意識しておくと良いと思います。
また、妊娠中に塩分を摂りすぎてしまうと、それ自体が腸内から水分を奪ってしまって下痢と便秘を繰り返す不安定な腸内環境を作り出す原因にもなってしまいます。
先ほどご紹介した妊娠中高血圧症候群の危険性ももちろんですが便秘や下痢を起こしてしまわないようにするためにも塩分の取りすぎは注意したいんですね。
そのためには料理の味付けを工夫したり極力塩分を減らす事を意識することも大切なのですが、取りすぎた塩分を排出するためのカリウム摂取も大切になってきます。
カリウムは、ナトリウムカリウムミネラルポンプという体の中の水分バランスを調節する機能を正常に働かせるために必要です。
妊娠中の下痢に対する対処のまとめ
妊娠中の下痢は突然なってしまうとお腹の痛みもそうですが、
トキソプラズマや食中毒になってしまったのではないか…
お腹の赤ちゃんへの影響はどうなんだろう…
と言ったように本当に不安になってしまいますよね。
ですがこのページでご紹介したように正しい下痢の原因など正しい知識を持ってしっかりと対処していれば全く恐れるものではありません。
また、下痢はちゃんと防ぐこともできます。
とにかく怖がらず落ち着いて正しい対処をするために普段から水分補給をするようにしましょう。