無理は禁物の妊娠中ダイエットはどうしたら良い?
妊娠中はダイエットなんてもってのほか!なんて言われますよね。
確かに、妊娠前で『何日も食事を抜いて何とかして○kg痩せなきゃ!』
なんて言いながらやっていたようなダイエットを連想すると
『そんなことは絶対にやっちゃダメです!』という話になってしまいます。
ですが、妊娠してからのダイエットは
『赤ちゃんと自分自身の健康を守るためのダイエット』
という意味合いがあります。
今では、妊娠中に太り過ぎると妊娠中毒症やお産が重くなったり、場合によっては命に関わる重大事になってしまう可能性まで含めて『適正体重に保つことが大切』ということが常識になっています。
しかしながら、妊娠中は根本的な体質として『赤ちゃんを守るために水分や脂肪をたくわえる』ようになっていることから、体重を適正に保つための『ダイエットが必要』ということが常識になっています。
そこでこのページでは
『無理せず健康的にできる妊娠中ダイエットとはどんなものなのか』
というテーマでコツや守るべき注意点を栄養と食事と運動の面から見て行きたいと思います。
妊娠中のダイエットと食事|食べる量よりも・・・
妊娠中のダイエットは低カロリーな食材を薄めの味付けでしてしっかり食べることです。
いきなり『しっかり食べることがダイエットになる』と言われても
理解不可能になった方もおられると思いますので、ちゃんと説明しますね。
まず、一番大切な妊娠中ダイエットのポイントは
『むくみ予防と脂質と糖質だけは抑える』という点にあります。
脂質と糖質は、赤ちゃんに栄養と酸素を運ぶ『血液の質』を下げてしまう要因になるからです。
血液の質を下げるというのは、血中コレステロール値を上げて、
それと同時に血糖値の急上昇も招いてしまいます。
なので、糖質と脂質は妊娠中には、最低限の量に控えて摂取するべき栄養素になります。
脂質については、動物性タンパク質の補給源にもなるため、
ベジタリアンのように完全に動物性脂肪を断ってしまうというのも良くありません。
できる事なら1日の3食の中で1食だけ、お肉類を食べるとか、油を使わずに湯通しして
コレステロールになる無駄な脂をできるだけ落としてサラダにして野菜と一緒に食べるなどの工夫をすると良いでしょう。
また、炭水化物もDNA情報のもとになる核酸という栄養素も含まれているため
こちらも、完全な『炭水化物抜きダイエット』になってしまうのは考えものです。
精白米を食べるなら量を半分に抑えたり、白米よりは少し低カロリーになる玄米を主食にするなど
極力ヘルシーな食べ方を心がけると、妊娠中の体重管理ダイエットに理想的な食事になりますよ。
また、味付けをできる限り薄めにするというのは、お砂糖を控えるといううよりも『塩分を控える』方が大切です。
というのは、糖分の摂り過ぎは良くありませんが、妊娠中では
赤ちゃんが順調に育って行くためのエネルギー源になるという側面もあるからです。
ただし、塩分の方はナトリウムという形で身体の中に蓄積されて『むくみを引き起こす原因』になります。
また、妊娠中に1日に摂るべき塩分はおよそ8gが限度と言われています。
しかしながら、1日に8gの塩分というのは、カップヌードル1個の塩分に毛が生えた程度なので、
実際にはかなり厳しい減塩生活を送ることになります。
そこで、大切なのが減塩しながら、美味しく食べるための味付けなんです。
例えば、レモン汁やコショウ、お酢など使って塩分をそれほど加えなくても食べられるようにすることです。
こういった食事が大切な理由は、妊娠中に太ることよりもむくみや塩分過多による高血圧がお産を危険なものにしてしまうからです。
こうした妊娠中の体質的な理由から、食事の管理はとても大切なんですね。
次に妊娠中のダイエットのための運動を見て行きましょう。
妊娠中のダイエットと運動|お腹の張りと相談
妊娠中のダイエットのための運動は、決して無理はできません。
具体的には、ウォーキングやストレッチ、ヨガなどの身体をゆっくり動かしながら消費カロリーを増やして行くことが大切です。
また、こういった無理をしない運動をしながらも『お腹の張り』は常に気を配って『少しでもお腹が張るような兆候があったら休みながら行う』ようにしましょう。
そして、ウォーキングやヨガ、ストレッチを行う時は、呼吸をゆっくり大きく取りながらするのがコツです。
妊娠中に決して行ってはいけない運動と言われるのが、上下動が激しい運動と衝突や息切れなどを起こすような運動です。
これは、切迫早産や流産などの危険を予防するため。
また、思ったよりも汗をかいた場合は、汗で体を冷やさないようにしましょうね。
これは、特にお腹周りが冷えると、羊水も温度が下がってお腹の赤ちゃんが温かいところを求めて動いてしまうためです。
赤ちゃんが胎動すること自体は元気に育っている証拠なので、良いことなのですが、あまり動き回り過ぎると逆子の確率が高くなってしまいます。
妊婦健診で逆子になった事がわかると『予定帝王切開』になってしまいます。
お産を重くしないためにも『妊娠中の運動ダイエット』は注意が必要なんですね。
次に妊娠中に摂りたい栄養素について見て行きたいと思います。
妊娠中に摂りたい栄養素|サプリやドリンクを活かそう!
妊娠中にダイエットとは関係なく必要な栄養素があります。
- 葉酸
- 鉄分
- カルシウム
- タンパク質
という4つの栄養素は、妊娠中のママの身体の健康と赤ちゃんの奇形を防ぐために絶対に必要です。
葉酸は、通常時の成人女性で1日に240mgの摂取が厚生労働省の推奨値として定められています。
それに対して、妊娠中(特に初期)では、1日あたり450mg~500mg前後の摂取量が求められています。
その理由は大きく分けると2つ。
- 赤ちゃんの奇形を防ぐため
- 妊婦の血液量を増やしながら質を落とさないため
という理由です。
葉酸はビタミンB12と一緒に『造血(血液を作る)ビタミン』です。
妊娠中は、初期から安定期、後期まで全般的に血液量が約1.4倍まで増えます。
これは葉酸を摂らなくても、身体の中でたくわえた水分を使ってでも増えて行く身体の仕組みになっています。
理由は赤ちゃんに栄養と酸素を送るためです。
ここで、葉酸とビタミンB12が不足すると血液が水っぽくなってしまって、赤ちゃんに栄養と酸素を充分に運べなくなってしまうんですね。
結果的に、赤ちゃんの奇形につながってしまうという危険な状態に。
これを避けるために、妊娠中の葉酸と鉄分摂取はとても大切なんですよ。
また、鉄分をしっかり摂ることで赤血球を増やすことになります。
赤血球が充分にないと、赤ちゃんに酸素を運べなくなります。
なぜなら、子宮の中で羊水に浸かって育っている赤ちゃんに酸素を届けているのが赤血球だからです。
赤血球はヘモグロビンという名前でも知っている方が多いと思いますが、
酸素は赤血球に“酸化”という形で結びついて運ばれて行きます。
鉄分不足は、そのまま赤血球不足に直結して貧血につながります。
これが妊婦さんの貧血の原因にもなるんですね。
鉄分は、妊娠前の通常時の身体で10.5mgが必要になります。
これが、妊娠中の安定期と後期には倍の21.5mgが必要になるので、どれだけ妊娠中の鉄分不足が危険なのか想像できますよね。
また、妊娠中は鉄分の中でも『ヘム鉄』と呼ばれる動物性鉄分が大切です。
しかしながら、鉄分を豊富に摂取できる動物性の食べ物には『ビタミンA(レチノール)』も豊富に含まれています。
妊娠中にビタミンAの過剰摂取をしてしまうと、赤ちゃんの奇形につながってしまう可能性もあります。
そのため、ヘム鉄をビタミンAと並行で摂ってしまわないためにもサプリメントを活かして摂ったり
非ヘム鉄である植物性の鉄分の吸収率を上げるためにビタミンCと一緒に非ヘム鉄を摂ることも大切になってくるんですよ。
また、カルシウム不足は赤ちゃんの骨や歯が育たないことにつながります。
すると、赤ちゃんのために母胎側で『ママの骨や歯を溶かしてでも赤ちゃんに与えようとしてしまう』ことがわかっています。
そのため、妊娠中にカルシウム不足になると、産後にママが骨粗鬆症(こつそしょうしょう)になって骨がもろくなったり、
歯が虫歯だらけになってしまったりすると言われています。
また、カルシウム自体は摂取量について厚生労働省では定められていませんが、以前は1日に通常時の1.5倍に相当する
950mgのカルシウム摂取が定められている時代もありました。
そして、タンパク質ですが、わたし達人間の身体の根本がすべてタンパク質で作られていることは知っていますよね。
これは、ママのお腹で成長する赤ちゃんもまったく同じで、
妊娠中の食事がタンパク質不足になりやすい炭水化物中心の食事に偏ってしまったり、
低カロリーを気にするあまり、動物性の食品をまったく受け付けなくなってしまうと
タンパク質不足になってしまいます。
なので、妊娠中は栄養バランスの取れた食事が大切で、それだけでは体重増加を招いてしまう場合もあるので
サプリメントや酵素ドリンクを役立てる妊婦さんが多くなっているんですよ。
妊娠すると太りやすくなります!ですが・・・
妊娠してどんどんお腹が大きくなってくると、
元の体重に戻るのだろうかと不安になってしまう方はとても多いんです。
でも妊娠中は栄養バランスを欠いた食事や激しい運動を行う無理なダイエットはしてはいけません。
これは、ここまでご紹介してきた通りです。
では、妊娠してからのダイエットはしてはいけないのでしょうか。そうじゃないんですね。
お腹の赤ちゃんのことを一番に考えて、できる範囲で無理をせず妊娠中ダイエットに取り組むと良いでしょう。
まずは食事ですが、悪阻中は食べられるものを食べれば良いですが、体調が安定してきたら、
お腹の赤ちゃんのためにも、栄養バランスの良い低カロリーの食事を心がけると良いでしょう。
妊娠中ダイエットの方法として、体調が良い場合は適度な運動も効果的。
有酸素運動をするのが、お母さんにとってもお腹の赤ちゃんにとっても良いです。
エアロビクスやスィミング、ヨガなどをやるとストレス解消にもなり良いでしょう。
特にウォーキングは、妊娠中のトラブルとなりがちな肩こりや腰痛、便秘、むくみの解消にもなり、妊娠中ダイエットに有効ですよ。
お産の時や出産後の回復にも有効で、出産後の育児を乗り切る体力をつけるためにも良いでしょう。
1人で心配な場合は、パートナーや友人に付き合ってもらいましょう。
ウォーキングの前後にはストレッチをして、無理をせず疲れたら休み、気分が悪くなったりお腹が張ったりした時はすぐに中止する事が大切です。
妊娠中というのは、体がお腹の中の赤ちゃんを育てるために多くのエネルギーを注ぎます。それだけ今までは女性にいっているエネルギーが減っている状態なのです。
自分では今まではこのくらい大丈夫だったのに、急な体力の低下を感じたというのは、ある意味当たり前のことなんです。
なので、痩せるにしても、出産に向けた体力をつけるにしても、だいじなのはゆっくりと徐々に運動やダイエットを行うことがポイントになります。